ぱらいそさいくだ

奈良からカブでお寺をめぐるブログ

舞洲にある奇抜すぎるゴミ工場を見学!中身はマジメ


外観からは到底見えないゴミ工場、大阪の舞洲にある舞洲工場へ見学に行きました。

場所

予約方法 

電話予約(06-6463-4153)します。見学時間帯は10時・13時・15時の3回で月~土曜日見学をやっています。電話をかけましたが、対応は丁寧な言葉遣いで、駅からの道順まで案内してくれました。その後、HP(www.osaka-env-paa.jp/kengaku/kojokengaku/ )で工場見学依頼書の様式をDLしてメールまたはFAXで送ります。車での来場も可能で、車の数をあらかじめ電話予約の時に言っておけば、工場入り口前の駐車場を開けておいてくれます。自分は土曜日見学で木曜に電話しました。時間帯が10時なら空いているとのことで、直前でしたが予約がとれました。

隣のスラッジセンターも気になる

10時開始ですが9時45分ぐらいに到着しました。舞洲の一番北側の常吉大橋から向かうと、橋の上から舞洲スラッジセンターが大迫力で見えます。ちょうど真正面に見えて、施設のことを知らなかったらびっくりするデザインと大きさです。スラッジセンターとは、下水道の汚水から分離した下水汚泥を、道路の建材や燃料にリサイクルするセンターで、デザインは舞洲工場と全く同じ、そしてほぼ隣にあります。初見では子供を遊ばせるテーマパークあるいはホテルと言った感じですが、とにかくサイズが大きいので何の施設かわからないし、得体のしれない恐怖と好奇心を持つ建物です。

舞洲のスラッジセンター

隣のスラッジセンター

奇抜なデザインについて

工場に到着すると、入り口のところで青い作業着の職員の人が待っていました。「○○さんですか?」と聞かれ「そうです」と答えると、すぐに案内が始まりました。偶然この日この時間帯は自分一人とのことでラッキーでした。エレベーターに乗り5階に進むと、この処理場のデザインの説明から始まります。ここへはデザイン目的で来る方が多く、特に外国からわざわざ団体でここを見に来る方が多いと説明がありました。工場がこのようなデザインとなった経緯は、舞洲はスポーツ関連施設が集まる場所として考えている中で、ごみ工場が真ん中にドンとあると舞洲のコンセプトにそぐわない。そこでゴミ工場に見えない世界中のゴミ工場を探した結果、オーストリアのウィーンにあるシュピッテラウごみ焼却工場を見つけ、そのデザイナーであるフンデルトヴァッサーにデザインを頼んだとのことです。

舞洲工場

工場敷地の緑化エリア

そのアーティストの特徴は、自然との調和をコンセプトとしており、自然界には曲線しかなく、また同じ形状の物も2つとして存在しないというものです。また建築によって自然を破壊した分を建物周辺に緑化を行うことも特徴です。デザイン料は約7,000万で、通常のデザイン料よりも割高になっていると説明がありました。 

真面目な工場見学へ

デザイナーの説明エリアを通り過ぎると会議室に案内されます。ここではスクリーンで10分ほどのビデオが上映され、ごみ処理の工程が説明されます。大きな流れは、ごみ収集車(パッカー車)が回収してきたゴミを焼却炉で焼いて、灰を隣の夢洲で埋め立て処分し、また焼却炉で発生した熱を利用して工場内の電力を全てまかなっているということです。ビデオで流れを理解したあと、実際の現場を案内してくれます。

舞洲工場

ごみ処理の工程

ごみピット

パッカー車がごみを捨てる大穴(ごみピット)です。ゴミがクレーンでつかまれて、焼却炉へつながっている穴に放り込まれます。下の画像の奥に見える穴が焼却炉への穴で2炉あり、1炉当たり1日450t焼かれています。クレーンは1回でパッカー車6台分のごみをつかめます。クレーンの実物大操作盤も展示されていました。左右レバーがあり、左レバーが前後左右、右レバーがバケットの開閉です。でかいクレーンゲームです。

舞洲工場

奥の四角い穴2つが焼却炉への投入ホッパ 手前がごみピット

舞洲工場

クレーン実物大操作盤

ビデオの復習

横には工場全体のミニチュアがあり、ビデオで見た説明を再度丁寧に職員の方が解説してくれます。説明としては、焼却炉でごみを焼くと排気ガスが出ますが、それをそのまま煙突から出すと大気汚染になるので、バクフィルターという布っぽいフィルターを通して灰やダイオキシンを捕集しているとのこと。また、焼却炉の熱で水を水蒸気にして、タービン発電機を回して電力を作り、隣のスラッジセンターへも供給していると説明がありました。ボイラーの実物も見れました。ボイラーの中にはタービン(羽根車)が入っていて、蒸気で1分間に3,600回転するとのことです。この羽根車の回転で電力が作られるのですが、場内の電力をまかなうだけではなく、まだ余力があるので売電しています。しかし、最近は全国的に電力余剰のため電力会社からは嫌がられていると言っていました。

舞洲工場

ボイラーの実物

舞洲工場

ボイラー内のタービン(羽根車)

5階から3階へ移動

次はエレベータで3階へ移動して焼却炉の見学です。焼却炉のガラスにアニメーションが映し出されて説明が始まります。ごみを焼くことで、量が1/15になり灰なので衛生的にも安心ということです。

また、ほかの大阪市のゴミ工場やごみ問題の歴史、パッカー車の種類などのパネルがあり、昔の石製の家庭用ごみ箱が展示されていました。年配の方は、これが一番テンションがあがると言っていました。大きさもそこそこあり、かなり重たそうで、これが1家毎にあったのが想像できません。

舞洲工場

石製の家庭用ごみ箱

不燃ごみ

舞洲工場

左側:赤の粗大ごみピット 右側:不燃ごみピット

燃えるごみのほかに、不燃ごみと粗大ごみのピットがあります。不燃ごみはアルミと鉄を選別し、鉄・アルミは資源として売却し、選別後残ったごみは可燃ごみといっしょに燃やします。ベルトコンベアでごみが運ばれてきて、コンベアから一番遠いところへアルミが電磁気で弾き飛ばされ、燃えるゴミは普通に落下し、鉄は最後までコンベアに磁石で引っ付いて一番手前に落ちる仕組みです。下の画像が説明用モデルで、白缶がアルミ、茶缶が燃えるゴミ、黒缶が鉄です。白缶は一番左の穴へ弾き飛び、茶缶はそのまま左から2番目に落下、黒缶はコンベアの下へ潜り込んでコンベア下に落下します。

舞洲工場

説明用モデル

粗大ごみ

粗大ごみは破砕機で細かく砕いて燃やします。破砕機は重さ約140kgの刃が4枚、時速150kmで高速回転し、粗大ごみをバラバラに砕きます。刃は尖りがすぐにダメになってしまいますが、1枚40万円もするので簡単には買えないため、一度は職員で研磨しリユースします。コストカットで簡単には替え刃を買ってくれなくなったと言っていました。

舞洲工場

奥の茶色が新品の刃 手前の黒が削れた刃

屋外の中庭を通り3階から2階へ

一通りの施設を見学し、中庭に出ました。煙突があり高さは120m、ビル4階立て相当ですが、一番上に航空障害灯のライトが3か所ついており、年1回ほど電球を取り替えているとのこと。内部のらせん階段を使い、一番上まで30分かかります。
施設のほかの電球はLEDに取り替えていますが、一番上だけは法律でLEDが使えないとのことで、高いところでデザイン的にも交換もしにくいのに、一番手間がかかるところがLEDに交換できないと言っていました。

舞洲工場

高さ120mの煙突

外観は窓などたくさんありますが500のうち400は飾り窓です。外観のメンテナンスはお金がかかると思っていましたが、デザイナーの意向で自然の摂理を受け入れるということで、ほぼメンテナンスはしていません。壁に蔦がはえ、塗りかえもしておらず、場内歩道のタイルがわれればそのままです。

舞洲工場

飾り窓だらけの外観

カラフルな柱は陶器で出来ており全てドイツから輸入しています。デザイナーが日本の陶器の発色が気に入らないとのこだわりで、また同じく床のレンガもすべて輸入し、こだわりだけで100億多く費用がかかています。

舞洲工場

ドイツ輸入の陶器の柱

エレベータで2階から1階エントランスへ

最後にエントランスへ戻ってきて解散となりました。今回はたまたま自分一人でしたが、普段はもっと人が多くて、特に土日祝よりも平日の方が人気があるとのことです。平日は外国人観光客が多いのと、工場内も平日の方が稼働しており、見学も迫力があるとのことでした。外観は奇抜ですが、中はすごく真面目な社会見学でした。 

帰りに隣の夢洲

ゴミを焼いて排出される灰は、隣の夢洲で埋め立て処分をしているため、帰りにそちらも見に行きました。夢洲は2025年大阪万博の開催予定地です。夢洲内は正直に言って現在何もないです。道路と物流コンテナとコンビニしかありません。万博開催予定地でもある現在埋め立て中の所へは、立ち入り禁止で全く見ることができませんでした。

夢洲

夢洲:道路の向こう側が埋め立て地